私がアイスランドに強い興味を持ったきっかけの一つには、このアイスランド語がありました。
それこそ、現代のアイスランド人が何の苦も無く昔のアイスランド語(つまりは北欧語)が読めるというのは嘘ですが、日本人にとっての古典文学よりはよほど『理解できる』ものでしょう。
アイスランド語はインド・ヨーロッパ語族の中でもゲルマン語派に所属していて、北ゲルマン語群に分類される言語です。北欧語と呼ばれる、かつて西暦700年頃ノルウェー、フェロー諸島、デンマーク、スウェーデンで話されていた言葉がかつてのアイスランド語でもあり、現代のアイスランド語は1300年頃から殆ど変わっていないのだそうです。
1300年というと意外と最近に聞こえるかもしれませんが、日本では鎌倉時代です。鎌倉時代の言葉…そう思うとちょっとびっくりです。
噂によると当時と現代のアイスランド語では発音に最も大きな違いがあるそうなのですが、個人的にどうやって当時の発音を知ることが出来るのか、とても興味があります。勿論学者さんたちが一生懸命研究されて判明していることなのでしょうが、だって当時の人が話しているアイスランド語の音源なんて、あるわけが無いじゃないですか。タイムスリップしたわけでも無いでしょうし。
それなのにどうして今のアイスランド語と昔のアイスランド語には発音に大きな違いがあるって分かるのかなあ…と、素朴に疑問に感じるわけです。
まあ、とにもかくにもアイスランド語はそれくらい古い言葉で、現代でも色々と苦労をしながら、変化を最小限に留めて守り続けられている言葉だ、ということです。
ちなみにアイスランド語はアイスランド以外では殆ど役に立たない言葉です。アイスランドでは、英語とデンマーク語を流暢に話せる・理解する人がたくさんいますが、一応公用語はアイスランド語だけです。近年の外国人移民ではないという意味で外国にルーツのないアイスランド人は、現時点で最新の2014年の統計結果によると約27万3千人だそうです。
カナダにいくらかまとまった数のアイスランド人移民が暮らしていてそこでもアイスランド語が話されているそうですが、全世界でアイスランド語を話す・理解する人は、多くても私のような移民を含めたアイスランドの現在の人口33万人ほどでしょう。
例えこの言葉を使う人が30万人ほどしかいなくても、アイスランド人がいくら流暢に英語や外国語を話そうとも、きっとこのアイスランド語というのはこれからもずっと、このまま殆ど形を変えずに残って行ってくれるんではないかな、と思わせてくれる、この国の人々の自国の言葉を愛する気持ちが、私は大好きです。
私はアイスランド語の専門家ではありませんので詳しくは解説できませんが、これから大学院で北欧語なども勉強して、いつか本を出版してみたいという大それた野望を抱いております。大志を抱くアイスランド人に影響されてきたのかもしれません。(笑)
詳しい解説は、将来死ぬまでに出版できるかどうかも全く分からない本を楽しみにお待ちいただくことにして、このHPでは簡単なアイスランド語の基本情報と、役に立ちそうな一言だけを載せておきます。
読み方
ちなみにアルファベット単体で読むときと、単語になったときでは文字の読み方は違います。英語で "thanks" を 『ティーエイチ…』と読まないのと同じことですね。